アマ名人とYSSのエキシビジョンマッチ

優勝したYSSとアマ名人の加藤さんの対戦がありました。やはり負けてしまいました。
去年のBonanzaも負けましたが、去年は完全に仏様の手の平で遊ばれた感じがしましたが、
今回は、驚かされる手も出てたようで……。


どこかのブログが「こんな対戦を見るとプロへの勝利ははるか先」と書かれてましたが、
私も、なにかブレイクスルーがいると思います。
飛と角があんな位置に成り込まれるまで、自分の危険に気づかない展開はなぜ起こるのでしょう?
成り金将棋のムラさんに聞いてみました。
「それは人間がものすごく先まで読んでるからだよ」


駒のぶつかり合いの勝負なら、全幅が考えもしない手を見つけ出すチャンスがあると思います。
でも、駒が当たらない序盤は、全幅でも選択的でも関係ないと思います。
手待ち状態を解決しないと、将棋はしばらくプロには勝てないんじゃないかと思いました。
ただ、学習した評価関数は、パラメーターが数万の単位であるので、それが複雑にからみあって、
思いもよらない効果が出るんじゃないと思います。
攻殻機動隊に「情報の海から生まれた人工知能」という描写があります。


人手の評価関数は、複雑といっても、完全に予想外の効果を生むことはなさそう。
でも、機械学習した大量の評価は、たとえ線形でも、カオスのような予想外の効果、
まるで人の直感のようなものを生み出す可能性を持っているような気がします。
Bonanzaの指し手が見ていて面白いのは、
言葉で説明できない評価による探索が重なった結果なのではないかと思う。


確かに渡辺竜王Bonanzaは「もしかしたら?」という戦いだったかもしれない。
でも、渡辺竜王は序盤で大差をつける指方をされなかった。
それどころか、終盤の寄せの勝負を、「あのBonanza」相手にされたんじゃないでしょうか?
それくらい、人間である自分に自信があったと。
相手の土俵でも勝つぐらいの。