ルサンチマン

ルサンチマン 2 (ビッグコミックス)

 帰宅途中に貸し本屋でルサンチマン花沢健吾小学館1−2を借りる。
 仮想現実ものなので気になってたのだ。表紙のショートカットの娘も可愛いし。
 「す、凄い」
 ニューロマンサーがかすむような、仮想現実マンガだ。.hackの百倍は面白いぞ!
 なんというか、仮想現実という現実以外に現実はない。なんてシーンはシュールすぎる。ちょっと絶望的過ぎる。
(前の職場でラグナロクにはまってる人がいたんですが、男だけど当然女性キャラ使いなのね。で、異性の友人ができたって言うのよ。へぇーって聞くと、相手は男性キャラで中の人は女性らしい。おまいら性別逆転かよ! と。そういう人は昼休みは横山光輝三国志を読んでたりしたが。それはまあ微笑ましいのかもしれんが。そう考えるとルサンチマンのように、女の子にもてるためにかっこいい男になるなんて価値観は古いと思うのよ。普通女性キャラになるでしょ? 自分だってWizardyは女子を入れてたしパーティに。そもそも早川JA文庫の仮想現実小説の金字塔が性倒錯を扱ってるのに。あれは15年ぐらい昔だよね。もっとも性とか言い出すと、早川JA的なアカデミックな敷居の高さを感じるけれど。そうそうヴィーナスシティ。しかし、スタイリッシュみたいなVRものがもう終わった感じなんだろうなあ。やはり、このマンガのようにパンツからキンタマはみ出てるような汚さがある意味新しいのだろうけど。そうすると、自虐系というか、げんしけんとかケロロ軍曹を見て思うような、自己晒し系の系譜かなあと思ったりする。流行か)
 絵的に、仮想と現実を並行的に描くのは、すごい上手く行ってると思う。マンガだからこその演出だよなー。
 しかし、読んでるうちに。話の展開が、かなり「ちょびっつ」入ってるというか、
 誰が考えても似たような話になるのかもしれないけど、開発者と特別なAIという枠組みがなあ。
 まあ、物語を立てるためには仕方ないかもしれないけど。逆に、なにか別の枠組みは無いかと考えてみても、難しいところはあるかも。
 ただ、二巻まで読んでいくと、急速に物語が、普通のヒューマニズムとよくある異形の神という感じに収束している感じがして、やや興ざめしながら読んだ。テクノロジー的な面白さが薄くなってきたというか。
 ただ、AIに売春宿させてるのは面白いと思う。がりぃさんに教えてもらったプロジェクト・ゼロはロボットに売春をさせていたけど、純粋にソフトにやらせるのは面白い。東野司さんのAIもので、アイドルにして売り出す小説が早川JAであったけど、時代は変わったものだ(^^;)
 ま、でも、ギャルゲーのシナリオをなぞるだけでは、「どうせ嘘だろ?」と醒めてしまったユーザーを
 納得させるために、AIを作り出したって設定は、すごい面白い。現実に、そう思ってるので。
 どっかのギャルゲー会社が、AIを作ってそれで、美少女ゲーム界に革命がおきて、それがビジネスソフト、いや米国のソフト、最後は国防総省まで巻き込んだ騒動になるって話は面白いかもしれない。メモメモ。っていうか、こんなところでネタをさらしてる場合じゃないだよな>俺