マスメディアによる世論形成の時代の終わりと、ソーシャルメディアによる世論形成の時代の始まりを感じた、AERA特集「放射能がくる」

http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2011/03/aera-1fc8.html

AERA最新号の特集「放射能がくる」について、Twitterでは非常に多くの方々が反論意見を述べておられます。

オルタナティブブログでも、下記のようなエントリーがあります。

・坂本英樹さん「AERA「放射能がくる」特集の意義と価値を考える」

・川上暁生さん「報道のあり方について」

そしてAERAが、謝罪メッセージを出すに至っています。

非常に象徴的ですね。
雑誌にしてみれば売るためには「センセーショナルなテーマ」を
煽る必要があるんですよね。部数なんぼの生き残りがかかってますから。



389res/h 【原発問題】 表紙に防毒マスクをつけた人物の顔と「放射能がくる」の見出し 風評被害助長批判に「アエラ」が謝罪(画像あり)
http://2chradio.com/arc/newsplus1300629507.html


ただ、世の中にとっては害悪でしかない場合もあるわけですが、
これまでであれば、異を唱えることができなかった。
発言力がある人は、雑誌やテレビなどとなんらかの関係で
つながってるわけで、利害関係がある以上は変なことは言えない訳です
干されますから。
(むしろ、発言力=有名である という状態を雑誌やテレビが作り出していた)


そこに、いわゆるマスメディアとあまり利害関係の無い発言力のある人が
批判することが可能になると、マスメディアが暴走できなくなる。


従来であれば、マスメディアとつながっていない人が批判したところで
黙殺すれば良かったわけですが、
ソーシャル的に数万人の読者を持つ人物が批判し、
それが他のソーシャル的な発言力のある人物にも波及すれば
影響力は数十万に広がるわけで、
マスメディアの読者(視聴者)が、ソーシャルメディアの読者と
重なっている以上は、無視できない存在になる。


マスメディアだろうとソーシャルメディアだろうと、
提言や意見がが正しいということは保証されない。
ただ、色んな人が反論を述べられる状態を作り出すことが、
結果的におかしな提言が暴走することを防いでくれるのでしょう。


マスメディアは、自身を専門家による正しい情報の伝達と言いますが、
他者の言論を封殺しているようでは意味が無いわけです。
今回のような煽り方を、従来、誰か専門家が批判しようとしたら
どうやったでしょう?


文藝春秋にでも論文を掲載してやったでしょうか?
それでは間に合わないのです。
ソーシャルメディアは、マスメディアの暴走を防ぐと共に、
おかしな提言に素早く反論できる「スピート」も兼ね備えている
と言えるでしょう。