先を読む頭脳
- 作者: 羽生善治,松原仁,伊藤毅志
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/03/28
- メディア: 文庫
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プレ55将棋大会の時に会場で売っていたので買いました。
ハードカーバーの時に読んでなかったので文庫で読んでるところですが、
なかなか興味深い話が多くて面白いです。
コンピュータ将棋開発者はほとんど読まれてるかもしれませんが、
例えば、将棋の棋譜をコンピュータで眺めるのと、実際に盤に駒を並べるのでは、
後者の方は記憶に残るけど、前者は記憶に残らない。みたいな話も。
ちょっと前に「東大生の勉強法」とかのハウツー本を立ち読みしたんですが、
目からうろこだったのが、
本は黙読しない。口に出して読む。要するに、目と耳から情報をINPUTすることで、「より記憶に残る」だそうです。
このへんだけなら感心しないんですが、
「英単語を口に出しながら、さらに部屋の中をぐるぐる歩き回りながら暗記する」
要するに、目と耳と情景の変化をトリガーにして記憶すれば「さらに記憶に残る」
このへんはなかなか思いつかないので、「こういう工夫を思いつける東大生はやはり凄い」と思いました。
頭がいいだけではなくて、効果的な勉強法を発見する能力に長けているんだろうと思います
あとは、東大生の家庭教師が生徒に行う実践法として、「生徒の字が汚い」場合は小さな字で丁寧に書けるようになるまで
「まず字の練習」をさせる人がいました。綺麗な字を書けるようになると、丁寧で粘り強くなり、ノートをとるのが楽しくなるそうで。
要するに「字がきたない」→「ノートをとらない」の悪循環を断つそうです
先を読む頭脳に戻ると、「羽生さんは、局面のチャンクを持つだけではなく、時系列方向のチャンクも持っている」
みたいな話も面白かったです。囲いとか攻めの手筋が「空間的チャンク」とすれば、
「流れ」「勢い」みたいな時間的なチャンクもプロ棋士は持っているようです。