「考える脳 考えるコンピュータ」が凄い面白い!

「考える脳 考えるコンピュータ」ジェフ・ホーキンスランダムハウス講談社


会社帰りに、家の近くのベローチェで読んでたんですが(まだ半分くらい)
これは非常に面白い本でした(まだ読んでる途中)

考える脳 考えるコンピューター

考える脳 考えるコンピューター

図書館で借りてるんですけど、手元に置いておきたい気もするんで、読み終わったら買おうかなあ


この人はParmを立ち上げた人みたいなんですが、
元々、AIを脳の働きから研究したいと思って、MITとかIntelとかにアプローチしたら断られて、
しばらくIT企業で働いてて、
通信教育で人間生理学を学んで、カリフォルニア大学バークレイ校の大学院の生物物理学に入学したようです。


当時AIを研究していた人は、脳を調べてなくても、コンピュータで独自に知性は作れるという考え方が主流だったみたいで
(記号処理AIで夢が広がってた時代でしょうし)


ただ、それからAIの化けの皮が剥がれて、一時はニューロが流行して、それも化け皮が剥がれて……
(自分が大学生の頃にニューロ、ファジー流行ってたなあ)


この人のモチベーション的に、人間の知性、すなわち脳の働きを、コンピュータのアナロジーでとらえるのに無理がある
(ハードとソフトを分離して考えることとか)
脳、とりわけ大脳新皮質の仕組みを調べることで、人間の思考の秘密のヒントを得ることが重要じゃないか
って感じ。


まだ途中までしか読んでないけど、「意外に新皮質は作りがどこも同じ」
あと、舌とか目とか耳と皮膚とか感覚センサーは色々あるけど、それらの数値情報を受け取って
処理する部分は、ほとんど同じで、むしろ、受け取る感覚の違いは、あまり関係ないって
いうか、一般化して受けられるのが特質って感じ。
それを言い換えれば、ほとんど同じ新皮質の上で、動いているアルゴリズムは同じような仕組みで、
それが、音とか映像とか触覚とか味とか、ぜんぶ処理しているという考え方。


昔は、同じように見える新皮質にどんな差があるのか?を血眼で探ってたけど、
むしろ逆で、差がない所に、着眼すべきって話。


たとえば具体例として、盲目の人の舌に、映像に連動して舌の先に刺激を与える機械をつけると、
映像信号を舌の感触で脳が受ける形になるけど、しばらくすると、舌を通じて、「見える」ようになるらしいです(目のように見えるわけではないでしょうけど、映像が判るようになるって感じか)
センサーは違うけど、信号を受けて処理する新皮質のアルゴリズムにそんなに差がないからどうにかなるらしい。
(自己で脳に損傷を受けて言語野が破壊されても、訓練で他の所に言語野ができたりする話もありますよね)
ヘレンケラーは、センサーがほとんど持てなかったけど、彼女は言葉も獲得している。人間の知性、言語の獲得に、感覚は必須ではないということが言えると(彼女は、手に水の感覚とか、触覚で文字を示されたんじゃなかったかな? 完全に触覚も奪われたら、他者とまったく交流できないので、それだとどうなるんだろう? でも、その人が考えていることを誰も観測できないことにはなるか)


あと、視覚野の構造が階層構造になっていて、初めは詳細な情報で、階層が上がるにつれて抽象的な差異を理解する構造になっていて、
たとえば、顔を色んな角度から見ても、同じ顔と認識できるのは、低階層では、全然違う映像だから信号ももちろん全然違うんだけど、
階層が上に行くつれて、低階層の信号の特徴の関係性を見るだけのレベルになるので、
同じ顔として認識を続けることができるみたいな「階層性」の話。


面白かったのが、センサーから信号を受けて脳に到達するっていう、一方方向の信号の流れだけじゃなくて、
同じだけ、脳からセンサーに向けても信号が流れていて、その相互作用で、信号の認識がダイナミックに変わっているらしい。
この逆の流れを、長年、AIとか脳の研究者は、無視していたらしい。


また続きはおいおい読みます