高速1手詰め使用と不使用で自己対戦の結果は……

Bonanzaは静止探索で1手詰め王手も読んでるようです。
実際、1手詰めがある局面なら、1手詰めで王手=詰みですから、それ以降は読む必要がありません
普通の静止探索にはそれが判りませんから(打つ手も指さないし)
1手詰め王手を使えば、静止探索が速く正確に終わる可能性があります。


問題は速度です。1手詰め判定が遅くて全体で遅くなればなんにもなりません。
要はバランスです。
しかし、高速1手詰めを実装した時は嬉しかったので「やったー高速1手詰めカッコイー(゚Д゚ )ウマー」
と実装しました。
調子に乗って高速三手詰めまで入れてしまってます。
これも今年の選手権でbonanzaが高速三手詰めをやってると聞いたからです。


選手権で勝又プロが「bonanzaは詰め将棋を載せてないのが有名ですが、可愛いことに三手詰めをやっと搭載したそうです」と皮肉を込めて(?)紹介されていました。


私の記憶違いで無ければ、これは誤解されています。
一般的に詰め将棋は「ここぞ」って所だけで読んでいます。終始読んでいると極端に遅くなるからです。
bonanzaはbitboardと保木さんの超絶コーディング技術で、おそらく常に三手詰めを読んでいます。
これは明らかに違います。
(三手詰めの載せ方は、選手権会場で成り金将棋さんとも話したんですが、成り金さんは「おそらく探索しないで詰むのを確認してるんでしょうね」と言われていました。バックトラックをせずに調べるという意味だと思います)
「可愛い」のではありません
「恐ろしいことに三手詰めを搭載している」これが正しい言い方のはずです。
詰め将棋なんて載せる気になればいつでも保木さんは載せられます。
載せないのは効率が悪いと判断されているからです(YSSの掲示板での過去の論争を読まれると判ります)



結論ですが、
高速1手詰めを読んでいるバージョンと無しのバージョンを自己対戦させたところ、

■98局 先手75(76.5)-後手23(23.5)

載せない方が75%も勝ち越しました orz
(終局まで読むと時間がかかるので、片方が-4000になるまでやってます)
「激遅1手詰め」の弱くなるコード積んで選手権に出ていたのか……


ただ、静止探索でまで呼ぶのは呼びすぎで制限深さを変えるとか
カットノードだけ呼ぶとか、PVノードだけ呼ぶとか
色々工夫して試してみる価値はあると思います