岐阜チャレンジ2005「コンピュータ囲碁世界選手権」

無事帰ってきております。ちょっとのど風邪がひきそうなんで、今日はこれ書いたら寝ようかと思います。


とりあえず大垣駅からバスで行こうかと思いましたが、30分に一回しか来ないので、
観光がてら歩きました。
ソフトピアは遠くから見ると、東京都庁というか、「二つの塔」みたいな建物でした。
ちかくに、イオンの巨大ショッピングセンターがあるのですが、
歩いて30分ぐらいかな? てくてく歩きました。


まず言いたいのは選手にはいいが、観客は置いてけぼりのイベントというか、
私は囲碁が激よわいので見てても面白くないので、
せめて解説でもあればいいのですが、ないし。
勝又さんのようにコンピュータの思考に詳しい人が解説してくれると楽しいのですが、
「もうコンピュータは死んでると判断してるみたいですね」みたいな感じはあったのですが、


結局日曜日に途中で帰りました。KCCが全勝してたけど、そのまま優勝したみたいで。
去年二位の彩はけっきょう落ちましたね。
GO Intelectとか、GNU GOとか米国の強豪が強かったので、勝成までは上位は全部外国勢ですね。
見てて思ったのは、ほとんどがノートPCで、デスクで気合が入ってるのは、彩の山下さんと、KCCですか。
スポンスサーが銀星囲碁の販売会社だし、KCCのためのKCCによる選手権というか‥‥。
しかし、KCCチームは凄いな。北朝鮮って人口は何人だろう? 凄い天才なんだろうな。
いや、天才で片付けては失礼だろうが‥‥。


古い勝成の文献を読むと、局所的にパターン照会して、一致したら、そのパターンでの差し手を打つという方式を使っているらしい(過去形かも)
本来は、石がつながってる列とかを手繰っていって、そこから地を計算しないといかんのでしょうが、それだと評価するのに莫大な時間がかかるようだし。
彩の解説を見てると、相手が指した手と、その前に自分が指した手の周囲だけを探索してるらしい。
このへんの考え方は将棋のも使えるんだろうと思う。
パターンで照会すると、大きな列(だっけ?)の影響がわからないからおかしな手を打つんだろうけど‥‥。
あと地元の女子高の茶道部のお茶会があったんで参加しました。抹茶。



きのあ将棋の人とか、王者戦では見たこと無かった人を見れた。初回の彩との対戦で通信がとらぶってたみたいだけど。


ほんでもって、初老の男性が新聞記事を持っていたので何気に話をしていると、
なんでもAIを30年研究してきた学者の人のようで。名前は聞きそびれたけど、有名な人らしい。スタッフが話しかけてたし。
なんだかんだで1時間ぐらい話をさせてもらって、ある意味岐阜まで行った成果はこれかもしれない。


たとえば、YSSのページに書いてあった2CPUでの並列処理の話を出すと、「それはただのスケジューリングの話だねえ」とばっさり。さすがだなあ。
そのとおりだなあ。
ボナンザの評価関数学習の話をしても「過去の履歴から統計学習するなんざ20年前からあるよ」とばっさり。
所詮過去から学習しても「クリエィティブな手は打てない」と。
たしかにそうかもしんない。


でもね。複数の名人の棋譜を学習して、得られた評価関数は、複数の名人の思考を「一般化して」「最小公倍数」もしくは「最大公約数」として知識を獲得することで、
それはコピーではない、新たなクリエィティブな思考にもなると思うのだけど。
人間がやってることもそうなんじゃないかと? しょせんは。
マンガ描いてて、オリジナルに絵が固定されるのって、それって「小脳が記憶した」ってことなじゃないかと思う。


その方は、脳の研究成果を工学的に研究するみたいなのを今後やるそうで、囲碁が題材として面白いとおっしゃっていた(ご自身、将棋より囲碁が詳しいというのもあるようで)
米国がエキスパートシステムをやっていた時代に、ヨーロッパから「PROLOG」が生まれてきた。それがヨーロッパの奥の深さ。
みたいな話も聞かせてもらって、なるほどなあと。流行に関係なく、むしろ流行を追わずに、ちゃくちゃくと己の信じる道を行くのも、いいことみたいなことだろうかと。


ただ言っていたのは、コンピュータ囲碁にはプランニングがないから、人間と指したほうがいいと。
プランニングか‥‥。将棋でも今後必要なのはそれだよなと。序盤と中盤と。
大事なのは間違えること。それは間違っていると自分で判ること。つねに最善手を打つコンピュータには間違いが認識できない。
間違いがわかるから、自分の行動を説明できるし、向上することもできる。人間は奥深いなあと。
あと、無意識化、深層心理での思考を、なんとかコンピュータにもってこれないかと。
今後マルチコアで並列プログラミングに進むのは間違いないわけだし、並列でのアルゴリズムを考えることは必要だよなと。


あと、プロ棋士の指導10面指しみたいなコーナーがあったんですが、
すごい小さい子も指してて、でもその子が指すのがやたら早いの。
で見てたら、ぜんぜん形勢が良くて、
結局プロが「参りました。ぼく強いね?」と(汗
ま、ハンデはあるんだろうけど。
子どもさんの母親に「おいくつですか?」と聞いてみると
「7歳です。小学校二年生」
すごい子どもだ。
「勝ったんだから嬉しそうな顔をすればいいのに‥‥」
母親の言葉に、坊やは泣きそうな顔をしていた。


あと、思ったのが、大垣の駅前のでかいスーパー。
夜しまるのPM7時。
田舎とは言え、閉まるの早っ!