死にぞこないの青 乙一 幻冬舎
はじめはややかったるい話に感じました。主人公も小学生の男の子でやや感情移入しづらいので。
ま、この子は気が弱いとこがあってそのせいでクラスで浮いてしまって、先生にも怒られるんですが、
本質的には頭は悪くない。怒られないように勉強をして、立場を乗り越えようとするのですが、
そこには江戸時代、いや人間社会が本質的に持つ差別の正体が立ちはだかる。
タイトルにもなってる「青」が登場してからはぐいぐい読めました。こいつがまた不気味でした(^^;) 口が縫われてるし。
この小説でも小動物を飼うペット係というのが出てくるんですが、これはトイレのタバコさんでも出てきたし、かなり色々な小説で出てきたと思いますが、
あるいみ乙一にとって飼育係はトラウマになってるのかもしれないとか想像してみたり。
差別を生徒に教えながら、差別の意味が判って無い先生はいるもんです。
わたしも高校生のときに社会の先生が「日本は単一民族です」と決め付けることを言ったので、
「アイヌ民族もいます」みたいに発言しましたが、「失笑されました」
実際は沖縄のこともあります。そもそも日本は純粋に日本民族ではなくて、朝鮮や中国からの交流もあります。
とくに福岡市には韓国語を基にした地名もありますし、唐人町という地名もあります。
授業での社会教師(その先生は地理でしたが)の態度に失望させられた思い出があります。