量子計算機の基本回路完成(NEC)
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20061671,00.htm
基本回路完成しているよ……。
量子計算機はすごい。世間はあまり騒いでないが凄いのだ。
記事でこの辺を読むと概要が判る。
>現行のコンピュータでは、ムーアの法則にしたがって集積度(ビット数)が大きくなれば、情報処理能力(実行ビット数)も同様に大きくなる。
>ところが、量子コンピュータでは、ビット数Nが増えることで、2のN乗という指数関数的に実行ビット数が大きくなり、現在のコンピュータをはるかに凌ぐ計算能力を持つ
>またNP問題を含む一般問題の部分高速化にも貢献し、N回の計算回数をルートN回に最適化することが可能だ
NP問題というのはたとえばこーゆーやつ。
昔、ニューラルネットワークが流行ったときに、「巡回セールスマン問題」って問題があった。
営業のセールスマンがN個の顧客を順に巡回して回るときに、どういう順番に回れば一番効率が良いかを決定する問題。
営業結果は回った数に比例すると予想できるので、有限の時間でどんだけ回るかが大切なんで、
なるべく遠回りしないで済む巡回ルートを決定することは非常に重要だ。
なに言ってるん。バカやないか。そんなもんいちいち考えんでいい!
とか言いたくなるが、
ぶっちゃけていうと、この世のあらゆる困難はすべて上記の「問題」と同じ困難が原因なんだ。
これが解決すれば、「人類は神」に到達できる。世の中の究極の目標はそれを解決することにあると言っても過言ではないと思う。
Nが少ないなら組合せで距離を全部計算して比較すれば済む。
しかし、Nが膨大な数になると「すべての組合せ」を「有限時間」で計算することは不可能になる。
初めにどこに行くか、次にどこに行くか、その次は……
では、どうすんのか?
「最高の答え」は見つけられないにしても、まぁまぁかなって最適解を見つけられれば「充分」な場合も多いので、それをやるしかなかった。
簡単な例で、「九九の表」を作るとする。
文字通り81回掛け算をして結果を表に書けば終了する。
一回の掛け算にT時間がかかるなら、81Tの時間がかかる。
これを高速化するには、
2x4と4x2は結果は同じだからというアルゴリズムで楽をする方向と、
掛け算回路を複数用意して並列に計算してやる方向がある。
1x2の計算が終わらないでも、1x3の計算は先にしても良い。依存関係は無い。
ということは掛け算回路が81個あれば、一回の計算時間で終わる
81Tの仕事が、Tで済む。81倍高速化する
しかし、一億の計算を並列計算したくても回路が一億も用意できないなら、100個x100万回計算とかでするしかない。
しかし、量子計算機なら、
量子力学の確率的な状態組合せだからnビットの素子が「2のn乗」の状態を同時に持てるわけで、
nビットの素子同士で計算すれば、「2のn乗」x「2のn乗」の計算が同時に終わってしまう!
いままではいかに人間の脳に追いつくかが問題だったが、
人間様の脳はおそらく量子計算なんかやってないはずなので、脳細胞が立体集積され、その数が膨大に多く、また未知のアルゴリズムを使っているとはいえ、
NP問題を完全に有限時間で解けるわけはない。
量子計算機は「その根本」から「人間様」をはるかに超えている。
将棋の名人が「次の手を指す」ために行っていう思考は、
「天文学的に計算時間がかかるNP問題」を「有限時間」で出すことである。
しかし、それも最適解であって完全ではない(完全解なら必勝法がわかってしまう)
しかし、量子計算機なら、必勝法も計算してしまうかもしれない……。
まさに、神が出現したと言ってもいいのではないだろうか。
量子力学のような現象は、つねに発生しているけど(自分の体も電子と原子でできるわけだし)
量子力学を利用して計算をしている「物体」はこの世には「そもそも存在してなかった」のである。
しかし、あと10年ぐらいしたら量子計算機がチップにはいって「量子回路搭載の洗濯機」とかできるんだろうな(w
問題は、今使ってるパソコンですよ。
量子回路でコンピュータが根本から変わるんだから、「速度や容量」ではない劇的な変化が起こる可能性が高いと思う
量子力学の細かい数式とかもう忘れたし、量子計算機の概念とか細かいとこは全然知らないけど、けっこう注目しているので(今年の1月初めもmycomで記事が出たし)、
レベルの低い電波が出ているかもしれんが日記に書いておきます。