MMORPGの正体

 artifact経由で、巡回するようにした「ゲーム業界らしい人たちが書いている掲示板のお話。
http://www3.azaq.net/bbs/300/dakini/


 まず、この掲示板の面白いところは「掲示板だけどblog」なんだよね。
 ようするに「情報を提供する仕組みの結果」がblogであって、「道具自体」は本来関係ないはずなんだよね。
 一見古い仕組みである掲示板が「なにか魔法のように」見えてくるから不思議だ。

 ゴルフをしているその楽しさやプレイの内容がゴルフであって、ゴルフ道具がゴルフなわけではない。当たり前の話か。


>昨日リンク張ったページですが、毒舌風味というか辛口な文章が素敵です。
>http://lovelove.rabi-en-rose.net/usada4.php
>> ネットワークゲームというテクノロジは非常に優れているが、>その到達点が現状のような MMORPG だとは
>> 考えられない。MMORPG は単なる一つの辺境であって、それが全てのネッ>トワークゲームの頂点に位置して
>> いるわけではない。繰り返すがワールドシミュ>>レータ+ポイント積み立て型のゲームには設計的な限界がある。

 ふむふむ。
 リンク先の日記も読んだけど、結構示唆に富んでいるような気がする。
 具体性があまり無いけど。こんなはずじゃない。もっと何かあるはずだという気持ちは伝わるような気がする。


>> 時間がないなら「合わなかった」と思って諦めればよい。>それは非常に単純な話であって、負けでも逃げでも
>> 何でもない。現実側に時間を取られ、ポイントを積み立てることができず、>その結果として夢見がちな厨房と
>> 暇を持て余した糞廃人が神の如く闊歩する世界から脱落することは、>あるいは喜ぶべきことではあっても、
>> 到底負けを悔やむようなことではない。

>この文章でボクが一番感心したのは、>ボクがMMORPGに時間を注ぎ込みたいと「思わない」理由を説明できてる点だな〜。
>自己顕示欲 …… MMORPGで満たすぐらいなら自分のWEBページ充実させた方がマシ。そっちがいい。

 自分は「ゲームに時間を費やするほど不毛なことはない」と思っている。
 子どものときはさんざゲーム遊んだけど、いまは「ゲームをするのは時間がもったいな」としか思わない。
 (ゲームをやって楽しいと思っている気持ちって、モルヒネ打って思考停止して楽しいってのを同じだと思ってる)


 現在の世の中は、「金をつっこむ時代」ではなくて「時間をつっこむ時代」である。という指摘が、このBBSでも以前あったと思うけど。
 まったくそうだと思う。
 金は時間が化けることで生まれる。金にはもはや価値は無い。
 このへんは、デフレの時代も表していると思う。今日のWBSでの話もあったけど「デフレは今だけ」「たまたま」ではなくて、
 「未来永劫デフレのまま」
 「今はデフレ」なのではなくて、「デフレ」が「今」になったんじゃないだろうか。


 FFに何時間も投入している人の話しを聞くと「ぶっちゃけた話、馬鹿?」とわたしは個人的に思う。
 MMORPGに投入しているひとも「かなり馬鹿?」と思います。


 ※ちょっと補足すると、「時間をかけずに楽しめる」ネットワークゲームも存在するはずだし、「時間を投入する」ことが世の中なら、
 「時間を投入せずに」「楽しめるゲームが欲しい」
 という観点で、ネットワークゲームを作ってみたいとは思ってる。
 たとえば、その場で時間をかけて遊ぶゲームではなくて、「まず思考ルーチンを作っておいて」
 その使い魔たち同士で、戦わせたりするゲーム。
 カルネージとか、マッチメーカーとか、以前日記で書いたけど「育てて戦わせることが目的の格ゲー」とか。
 こういうのはやってみたい。
 星界PeoPleなどのPeoPleが面白いと思ったのは、外野からのぞいているような感覚で、「アバター」的に、住人が生活している。
 というゲーム世界観が面白かったからだ(しかし、普通のMMORPG的な改良を加えすぎて、失敗している)

 たとえば、株式市場や星系投資を導入したために、「常時へばりつける」人は稼ぐのが有利になった。
 この貧富の差はMMORPGで批判されているのと同じ構図。
 銀行の利子を巡る議論で出てきた話で、ユーザーさんが、
「自分は一日一回しかアクセスしませんが、毎日、利子が少しでも増えるだけでも楽しいです」
 この意見にわたしは胸を打たれた想いだった。自分はなにかを忘れていると思った。
 結局、投資そのた、MMORPG的な展開で、金が膨大に生み出されて、「インフレ」を起してしまい、ゲームバランスは破綻した。
 上記の「毎日利子が増えているだけでも楽しい」
 という素朴な楽しさは『失われた』


※ただ、星界PeoPleは「ゲームである以前」に「星界ファンの社交場」のような感じでもあるので、やや複雑な事情を含んでいる←ゲームには飽きたけど、住人が減ると、星界自体が没落したみたいでマズイだろ。という戦略意識もあるのではないかと、勝手に想像している。とにかく森岡先生はやく次巻を書いてくださいということで。




 本編に戻る。


 ただ「自己顕示欲」を満たすためにMMORPGをやっていることを批判するなら、「現実社会で自己顕示欲を満たしてること」も同じように批判されるべきと思う。


 逆にいうと、「ゲームだろうと」「ネットだろうと」「現実だろうと」、
 自己顕示欲が満足されて、楽しいと思える毎日が送れれば、それでいいんじゃないか? ということもいえると思う。
 暴言をいうと、「子どもを育てる」なんてことも「ただの現実逃避だ」と私は思っている。
 「自分の代わりにエリートになって」とか「自分のかわりに素敵な人生を送って」とか言ってる本人は、
 「すでに、自分の人生は諦めている」ことにならないだろうか。
 「子どもを育てることが、自分の人生」なんて言ってる人が大半だけど、
 それはなんで?
 なんで自分の時間を子どもに投入することで満足感を得ようとするの?
 それが楽しいとするなら、
 それはMMORPGでゲームしていることと変わらないのではないかい?
 (老後に面倒を見てもらうため、とか打算的な目的で子どもを育ててるひとは別)


 たとえば、スポーツ選手は、自分とチームは大切だけど、後輩を育てることが大事になってきたら、その人はもう現役じゃない。
 スポーツは肉体的な旬があるけど、人生は死ぬまで続く。
 「赤ちゃんはわざと可愛く生まれてくる」このへんから言ってみることもできるだろうけど、
 子どもを生むことには「責任がともなう」し、勝手に押し付けられるわけじゃなくて、「自分で作り出したのだ」ということは、もっと考えるべきだと思う。
「子どもはかわいいよね」なんて言ってる人は、「可愛がるために生んだ」という事実を忘れているような気がする。
 「可愛がるために生んでなにが悪い」と言われば、「別にわるくないけど」ね。
 現実味もMMORPGもそんな程度のことじゃないだろうか。
 自分なんかはわりと家庭環境が恵まれてないので、余計にそう思う。