羽生名人の「強さ」分析 日本認知科学会

http://www.asahi.com/shougi/topics/TKY200306120156.html

「盤面を記憶して下さい」という実験での、


初心者の目の動き

 すべてを満遍なく見て覚えようとしている。


羽生さんの目の動き


 これを見てまず思ったのは、
 羽生さんは、棋譜と元もとの開始時の差分をとっているような感じがする。
 左右にまず歩の飛び出しをなめるような動きをしている。
 銀や金の上がりを見ている。固定されたままの桂馬や香車はまったく見ていない。
 それから、相手の布陣をほとんど見ていない。
 これは、さらに、真ん中を境に垂直反転させて、自陣と相手の陣をさらに差分をとって、
 その差を見ているような気もする。
 相手陣への視線の侵入が、そんな気もする。
 このへんも対称性をうまく利用した情報圧縮や抽出が行われているのではないだろうか。


 PC将棋も「候補先を絞る」ことはしている。浅く探索して良さそうな手を深く読んだり、アルファーベーター法など枝狩りの技術などが色々とある。
 ヒューリスティックなど、経験則も利用する。
 しかし、幾何学的な対称性に着目して、着手を絞るような方法は、
 松原仁さんの本でも読んだ記憶が無い。
 そのあたりは、どうなのだろう? 凄く面白そうである。