各ソフトの動き
簡単にまとめてみます
- 棚瀬将棋
評価関数の学習の特徴を色々と工夫して様々に試された模様。去年の選手権から「一度も他のソフトと対戦させず」に
今日が初めての外へのお披露目だったらしい。
このへんの話を聞いて、「がんばれ元気」というボクシングマンガで元気が山に籠もって熊を一撃で倒せるようになって
戻ってきた話を思い出しました。ただ元気が山に籠もったのはたかだか数ヶ月なのに、棚瀬さんは論理的な山に1年も
籠もっていたのは、がんばれ元気より凄いなと思いました(話が大幅にそれました)
解説の勝又プロが「棚瀬将棋は将棋で負けた試合は一つもありませんでしたね」とおっしゃってました。
内容で負けた試合が無いので、余計に強く見えますが、ほぼ完璧じゃないかと思います。
- 激指
実現確率の精度を高めて、より細くより深く読めるようになったみたい
- 柿木将棋
思考時間が少なくなると全幅に切り替えるなどハイブリッド探索をされたみたい(例会で全幅も作られた話をされてましたし)
- 奈良将棋
ボナンザメソッド学習をやられたみたい
YSSやボナンザは、10倍面白いHPにインタビューがありますが、細かいところを色々と改良されたようです。
備後将棋の恩本さんには、荷物を送る時に、皆がいるときに色々と話を聞かせてもらいましたが、
やはり普通じゃないようなやり方を突き詰めてやってるようでした。
将棋ソフトと言っても、やってることがかなり違うんですよ。むしろ真逆なことに取り組んでるソフトが以外に多くて、
違うことをそれぞれ極めることで、決勝の地位にいるような感じがします。(中途半端はダメなんでしょうねね)
たとえば、Bonanzaは詰め将棋を呼ばないけど、備後将棋はかなりものすごく呼んでるようです。
たとえば、激指は、確率精度を高めて細くしてより深く読むことで強くなっているようですが、
逆に棚瀬将棋は、読みの深さはおそらく去年とほとんど変わってないようです。で、評価関数をより細かく学習でチューンされているんだろうと思います。
なので、コンピュータ将棋が強くなったと、ひとまとめに語ってしまうのは簡単だけど、個別のソフトは、
意外に全然違うアプローチで、強さを追求していて、それが、同じぐらいのレベルで均衡している
というのが、面白い状況と思います。
保木さんが新書に書かれていた「全幅」と「選択的」探索のソフトが、それぞれ最善を尽くして開発をしている状況で、
同じぐらいの強さになっているのが「面白い」といったことを書かれていたと思いますが、
そういうことなんだろうと思います