ボナンザvs勝負脳の新書を買ってきました

昼休みに本屋で買って、
帰りに駅前のマックで読んできました。



保木さんと渡辺竜王の文章が交互にあって、途中対談も挟んで、最後に保木さんの科学する心について


Bonanzaの仕組みなどは確かに既出の内容ですが、保木さんの考えとか書かれてて、
やはり面白かったです
特に「全幅探索+評価関数学習」と今まで将棋で誰もやってなかった手法をやったので、
「全然弱い」か「すごく強い」はどっちかだろうと思っていたら、
選択的探索の上位ソフトと「同じくらいの強さ」だったのが面白かった
みたいな話が面白かった。


それぞれのアプローチでも、できる人が知恵を絞って作り上げれば、
マシンの差もさほどないわけだし、強さも差は出ないもんということですかね?
(もちろんそれは決勝に行ってるような仙人レベルでの話)


全幅とはいえ、調べるとボナンザは三種類ぐらいの手の探索に75%を費やしている
あたりから、三手ぐらいに絞り込んで読んでいると言えるだろう
って話も面白い。
一般にコンピュータ将棋は力づくに全部読んでいると言われてるが、
実際は、だめな手は初期に枝狩りしているので、読んでないに等しいのだ。
人間だって、3種類手しか読んでないと言いつつ、意識外でもっとたくさんの手を認識して、
除外してるわけで、
それはコンピュータも同じだ。


ただ、3手にしぼっても、そこにプロ棋士が候補にする手がすべてあるとは限らないらしい(ボナンザレベルでも)
渡辺竜王が、「三手読みが大事」というのが印象に残った。
コンピュータは、相手の応手をちゃんと判ってない場合が多いらしい。三手ですらちゃんと読めてない
ある意味、三手は絶対に読み逃さないぐらいの決意で作ってみても面白いかも


最終章の化学の話は、やや「スレ違い」というか「板違い」な気もしたけど、
短い枚数にすごい情報密度である。
去年のGPWで保木さんはカレーを食べながらけっこう話して下さいましたが、
実は化学に関しても話したくて仕方ないのではないだろうか
さすがに、あそこまで本格的な化学の話はついていけませんが(^^;


分子レベルのロボットを作ろうとしているというのが意外でした。
そういうモチベーションをもっている方とは思ってませんでした。
というか、分子化学ってナノマシンな感じなんですね……
自分の時は高校でベンゼン環やって化学は終わりましたので、
どっちかいうと物理の方が好きだったかな