「おたく」の精神史 1980年代論  大塚英志 講談社現代新書

ISBN:4061497030

 買うのは止めようと思ってたんですが、つい買ってしまいました。
 やはり大塚さんは熱いなと(^^;)

 少女小説は、じつは少女まんがの小説版では無く、当時、内面を語る(文学化=私小説化)少女まんがに読者が飽きてきて、
 その変化が少女小説で出ていたみたいな話はなるほどなと。
 確かに、氷室冴子の小説には「内面語り」がまるで無いよね。
 その後、セーラームーンの登場で、「私の内面語り」がキャラ単位の多次元の私語りへ変化していくわけですね。
 中村うさぎさんが広告代理店の社員だったときの話とか、大塚さんがアルバイトで雑誌編集してたときの話とか色々ありました。
 オウムの話はあまり載ってなかったけど、オウムの難しい点は、批判しようとした批評家と同じ言葉を彼らが使っていたので難しかったというのは、
 なるほどな(w


 あと、不況ではキャラクター商品が流行るって過去の歴史の紹介が面白かった。
 のらくろとか、キャラクター商品が不況になると売れて(要するに、実の無いもの、キャラクターにしか商品価値が見出せなくなる)
 しかし、その後に、大量消費の好況が来ているので、歴史は繰り返す理論では、今後、なにか来るかもしれないみたいな予想。
 どうでしょうね?