blogにつっこみを入れる人工無能
http://d.hatena.ne.jp/satos/20040220#p1
昨日の続きです。
>他のblogで特定個所を引用された場合、その部分の単語・文章テンプレート・ネタを「読者が面白いと思った」と考える。
これはGoogleのPageRankと同じ考え方なので有効と思います。
>コメント欄の文章に登場した単語と本文の単語の相関をとり、相関の高い個所を「読者が面白いと思った」と考える。
これもいいですね。話題というかトピック的なものを判別できると思います。
>ただし、否定的表現が多かった場合、「つまらないと思った」と考える。 以上を評価関数として、ネタ・単語・テンプレート出現頻度の重み付けに使う。
上記の方法で、「作られた文章」に対する読者の評価は「判定できる」と思います。
(統計的には母数をある程度要求されそうですが)
ただ、根本的に「まずネタを作る」ことが必要ですよね。
作られた文章がどう評価されたか? は上記の手法でやれると思うんですが、
面白いネタを「作り出す」には、「何が面白いのか?」を明らかにしないといけないと思うんです。
前に、四コママンガのオチや面白さが「どのように発生しているか?」を考えたことがあったんですが、
http://d.hatena.ne.jp/mkomiya/20031119#p2
http://d.hatena.ne.jp/mkomiya/20031116#p1
漫才とかもいっしょですが、「オチる」ためには「逆説でないといけない」
逆説とは「A→非A」という関係になるって、自分的には理論付けたんですが、
(よーするに、ナルAの世界ですが^^;)
突っ込むには、「元の被突っ込み文章」に対して、「逆説」を発見してやる必要があると思うんです。
逆にいうと、「逆説」を発見する方法が「アルゴリズム的に実装」できれれば、
「計算機につっこみをさせる」ことは可能になると思うんです。
つっこむには、ボケが「ボケている」ことに気付く必要がありますよね。
ということは、一般の常識と、ボケが発生させた非常識、異空間の差を理解し、それを指摘する能力が必要になる。
その差異を発見することが「突っ込み」の役だし、
読者や視聴者は、「気付かなかった」ことを「つっこみが提示してやって」「あぁ確かに言われてみれば」という意識が、
「面白い」って思わせると思うんです。
当たり前のことを書いても、「だからなに?」ってことになるわけで、
知識的な補完ってのも「読者の見方を超える」ので「面白さにはなります」が、
違う見方の提示をすることは「笑い」とか「なるほど」って意識に繋がると思うんです。
前者は、検索したり詳しいサイトへのリンクを貼ったり、関連記事を列挙したりで、むしろ機械化しやすいと思うんですが、
後者の実現が「より難問」であり「より面白いテーマ」と思います。
せっかくなんで、上記の「まんがタイムきらら三月号」に載っているマンガで検証してみます。
トリコロの冒頭のマンガ
- 風邪が流行っているという導入
- 「気をつけよう」ということになる
- そこに八重(という主人公)の声「わたし風邪ひいたかもしれません」
- 彼女の頭にはハトが乗っている
- 周囲の「頭が重いの?(汗」という質問に八重は「うん」と答える
このマンガの構造を考えると、
「風邪をひくと頭が重くなる」という常識と、
「ハトが頭に乗ってると頭が重くなる」という常識が、
「頭が重くなる」という概念を共有して、結びついている。
その偶然の一致が、「面白さ」を生み出している。
ハトがのっているのに「気付かない八重ちゃん」
というボケも面白さの要因ではあると思うんですが、
やはり「頭が重い」ということを利用して違う概念を結びつける、
その「着眼点の発見」が「面白さのミソ」であると思います。
「その着眼点を計算機に発見させる」には「なにが必要」で「どんな方法をさせればいいか?」
それを考えないと「面白さ」を生み出すことはできないと思うんです。
生み出した面白さがどのくらい面白いかというフィードバックは、観客の反応で逆伝播させられると思いますが、
まず「面白いものを作り出す」戦略を「作り出すことが必要である」と思います。
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